• テキストサイズ

〜Mint Candy Story〜

第39章 -映画-(宮地清志)


「もう‼︎こんなの1人で並んでよー。」


「いいじゃねーか!轢くぞ‼︎つぅか、
今回、オレの全奢りなんだから、
文句言うなって。」


「奢りは当たり前でしょー⁈」


わたしは今、幼なじみの清志と、
映画館のグッズコーナーに並んでいる。


グッズコーナーの列が、
あまりにも女のコばかりだったので、
怖気付いた清志が、わたしにも、
一緒に並べ‼︎と言ってきたから…。


「あの人カッコいい!」

「ほんとだ♪
ね、ちょっと海斗に似てない?」


ま、そんな声も聞こえてくるから、
一緒にいてよかったのかもしれない…。


「キャラメルポップコーンと
ジンジャーエールも買ってね?」


「わーったよ!」


清志と映画なんて、
子どもの頃のアニメ映画以来だ。
でも、今日の映画はアニメではない。


今女子高生に話題の胸キュン映画。
『恋してラビリンス♡』
…略して”恋ラビ”


まさか、清志と観るとは思わなかった。


今日、清志と映画を観に来ているコトと、清志の全奢りなのには理由がある。


”恋ラビ”の主人公の女のコが
清志の好きなみゆみゆで、
前売り券の特典は、
カップルペアチケットにしか
付いていないらしい。


おまけにちゃんと”カップル”で…
つまりは男女でないと使えない。


前売り特典が、
どうしてもほしかった清志…
そこで白羽の矢が立ったのが、
幼なじみのわたし…というわけだ。


「つぅか、みゆみゆが
おまえの名前の役やるんだからな!
光栄に思えよ!」


「 いや…ただの偶然だから…」


偶然にも恋ラビの主人公の名前は、
”檜原すみれ”だった。


光栄どころか、若干恥ずかしい…
とは、清志には言えず…。



そんな話をしているうちに
会計の番が来て、
無事に清志がほしいものをゲットした。


「よし!席取るか。」


ほんとは清志がグッズを買ってる間に
わたしが座席指定、
しとくはずだったんだけど…。


ご機嫌の清志とまた列に並び、
清志が前売り券を受付の人に渡す。


「カップルペア前売り券ですね。
対象のお席は、
こちらからお選びいただけます。」


「「はっ⁈」」


受付の人はサラッと言うが、
わたしと清志は2人で固まっていた。




受付の人が選ばせてくれた席は、
カップルのペアシートだった。
/ 550ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp