第3章 -理性-(宮地清志)*★
「清志…ほん…とに…?」
「こんなことウソ言うかよ。」
「ふたばも…好きっ。」
…っ⁈
ふたばがまた抱きついてきたので、
オレはふたばを受け止め、
ギュッと抱きしめ返した。
「お前さ、
もうちょっと色々自覚しろよな?」
「何を…?…くしゅんっ。」
「風邪ひくぞ?髪も濡れてるし…。
髪やってやるから、着替えて、
ドライヤー取ってこいよ?」
「うん。…きゃあっ。」
「なんだよ?」
「バスタオルだけなの…忘れてた…」
「アホかっ!轢くぞっ!」
バスタオル1枚でオレに抱きつくふたば…
無防備にも程が有る。
だから、言ってるのに…。
自分から抱きついてきたくせに、
叫ぶなんて…バカだろ。
しかもオレの足の間にいて、
バスタオルがはだけてきている。
肩から鎖骨…谷間まで見えていた。
ヤバイヤバイヤバイ…。
いくらお互いの気持ちが
わかったからといって、
初めてはなんていうか…
衝動的にしたくなかった。
「あ、これ、借りるね。」
ふたばは恥ずかしそうに
そそくさとオレの部屋を出た。
はぁぁぁぁぁぁぁ。
こんなんじゃ学校でも危ないな…
トントン…
「Tシャツありがと。髪してーー。」
ふたばは、
オレのTシャツを着て戻ってきた。
下着は着てるんだろうけど…
オレのTシャツじゃ大きくて、
ワンピースみたいになっていた。
イロイロ考えてたけど、
最終的にオレ…理性持つのか?
「おう。しょーがねーなぁ。
こっち来いよ。」
オレは部屋の隅の
コンセントある当たりに座った。
その前にふたばがちょこんと座る。
腹が立って仕方ない1日の締めくくりは、
幸せな気持ちでいっぱいだった。
---End---