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〜Mint Candy Story〜

第33章 -冬シチュ三部作①-(青峰/宮地/木吉)


「クシュンッ!」


はぁ…さすがにタイムリミットかな…


ほっかいろ代わりに持っていた、
ペットボトルのココアも
すっかり冷めてしまって、
役割を果たしてくれない。


何度も何度も
大輝に電話しそうになるのを堪え、
それでも…
大輝から連絡こないかなって、
スマホをずっといじっていたら、
いつのまにか、
スマホの充電もなくなっていた。



帰ろう…。



ガシャンッ‼︎



…⁈


突然座っていたブランコが揺れ、
ビックリして顔をあげると、
ダウンジャケットを抱えて、
少しだけ息のあがった
汗だくの大輝がいた。


「だい…き…?」


大輝の姿に思わず泣きそうになるのを
グッと堪える。


「はぁ…。おまえ、こんな時間まで、
何やってんだよ⁈」


「こんな時間て…」


スマホを見たけど、
とっくに充電は切れている。
公園の時計を見上げると、
7時だったはずが、10時になっていた。


気づかなかった。
どうりで体が冷えてきたはずだ。


「なんで電話出ねーんだよ⁈
つぅか、電源切りやがって‼︎
そんなにオレのこと避けたいのかよ⁈」


「な…っ⁈」


違うのに…そんなわけないのに…


でも、大輝に何も言えなくて、
さっきは大輝が来てくれて、
嬉しい涙をガマンしたけど、
今度は悲しい涙をガマンする。


「…っ⁈…ったく…泣くなよ。」


…ギュ。


大輝に腕を引っ張られ、
ブランコから立ち上がらされると、
そのまま大輝に抱き締められた。


「な…泣いてない〜。」


大輝だ…。
大輝の腕の中がとても暖かい。


冷え切ったわたしの体と心を
一瞬でポカポカにしてくれる…
やっぱり大輝はすごい。


「…すみれ?」


「…なぁに?」


泣き顔を見られるのが恥ずかしくて、
わたしは大輝の胸に顔をうずめたまま、
こたえた。


「だから…その…わ…」


「”わ”…⁇」


大輝の様子がおかしくて、
思わず顔をあげてしまう。


「…っ⁈
(んな…ウルウルした目で見んなって。)
わ…悪かったよっ!」


「え…?」


「だから、オレのコト、
シカトとかすんじゃねーよっ‼︎‼︎」


そう言った大輝が、
さらにギューッとしてきて、
わたしは大輝の顔が
見えなくなってしまった。


もしかして…
ケンカのコト…謝ってくれたの…?


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