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〜Mint Candy Story〜

第32章 -関係-(宮地清志)***


よし…当たって砕けろ!
あ…砕けたくはないなぁ…。


でも、大坪も木村も裕也も…
皆応援してくれてるんだもん!


ちゃんと自分の気持ち伝えなきゃ…。


「行ってくる!」


「すみれさん、大丈夫っすよー!
頑張ってくださいねー♪」


「えっ⁈」


体育館のドアへ向かっていたけど、
高尾の声に思わず足を止める。



なんで高尾が知ってるのーー⁈



思わず大坪たちを睨むと、
3人ともちがうちがうと首を横に振る。


「すみれさん…バレバレっすよ♪
真ちゃんでも気付いてますよー♪」


「えぇ⁈」


た…たしかにあの緑間が、
少し早いタイミングで
自主練切り上げてるのって珍しい…


「すみれさん…」


「なぁに?」


突然緑間に話し掛けられる。


「すみれさんの
ラッキーアイテムなのだよ。」


そう言って手渡されたのは、
油性マジックだった。


「ぎゃはは‼︎さっすが真ちゃん!」


「あ…ありがと。」


とりあえず…
バッグに入るものでよかった。


わたしは緑間からもらった
油性マジックをバッグにしまった。


「ま、兄キ以外、
たぶん全員気付いてるよな。」
(どこまで鈍感なんだよ、この2人…)


「な…っ⁈」


裕也のことばに、
周りにいたほかの皆も頷いていた。


「わ…わかったわよ!
行ってきますっ!皆ありがとね!」


皆の気持ちは嬉しかったけど、
わたしはなんだか恥ずかしくて、
勢いよく体育館のドアを開け、
中に入った。



ガラッ!


バタン‼︎


もちろんドアは閉めた。


「…⁈すみれ?どうしたんだよ?」


体育館に入ると、
ドアを開ける音に気付いた宮地が、
わたしのほうに来た。


「あ…えっと、お疲れさま。
まだ練習してくの?」


「いや…そろそろ…。
今日他の奴ら、引き早えんだよ。」


「そういえば、そうだね。」


わたしのせいなんだけど…。
もちろんそれは言わない。

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