第27章 -水着-(日向順平)
誠凛名物⁈プール練習の帰り、
久しぶりにすみれと2人で帰っていた。
「今日の練習はキツかったなー。」
「ふふ…皆のためですから。
でも、わたしも泳ぎたかったなー。」
「は⁈」
…っ⁈
ったく…こいつわかってねぇのか⁈
プール練は、こいつも水着だった。
もちろん前に桃井が着てたような
ビキニではなく…(見たいけど…)
カントクと同じタイプの水着。
でも…
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プールに現れたすみれを見た瞬間、
プール内がざわついた。
『すーちゃん、かわいーい!』
『へぇ…』
『同じ水着なのに違うもんだな。』
コガや火神はともかく、
伊月まで見惚れていた。
『クマさんじゃないけど…
すみれのは英語が読めな…』
ボカッ…‼︎
とりあえずすみれの胸元を
見ていた木吉だけは殴った。
『いってー。
はは。日向は素直だなー。』
殴っても木吉はヘラヘラしていた。
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…ったく。少しは自覚しろ。
「あ!あのね、順平先輩!
今度の部活お休みの日…」
オレが今日のコトを思い出していると、
すみれが話し出した。
「ドコ行きたいか決めたのか?」
部活でずっと一緒とはいえ、
デートなんて
数えるほどしかしていなかった。
今週末の久しぶりの部活の休み、
すみれとドコか行くか…と、
話していたのだ。
「あのね!
順平先輩と海に行きたいです!」
……はぁ⁈
「すみれ?それは…
海で泳ぐってコト…だよな?」
「はい♪あの…えっと…
新しい水着…買ってもらって…」
あ…新しい水着だと⁈
「それは今日のじゃなく…?」
「…?あれは、部活用にって、
リコさんがくれたヤツですよ。」
な…っ⁈⁈てことは…⁈
み…見たい‼︎でも…
「…ダメだ。」
「え…?」
「海は却下!」
「えぇ⁈」
「ちなみにプールも却下な。
水族館とかどうだ?
ほら…新しいのできただろ?」
「……っ。」
やべ…怒ったか?でもなぁ…。
「そんなに…
わたしと行くのイヤですか?
そんなに行きたくないなら…
もういいですっ!順平先輩のバカッ!」
すみれはそのまま走り去ってしまった。