第2章 -百合-(氷室辰也)★
-氷室side-
「ゆりなっ‼︎‼︎‼︎」
突然ゆりなが大きく揺らいだ。
オレは間一髪でゆりなを抱きとめた。
香山
「霧島っ!」
秋田東部員
「大丈夫かっ⁈」
ゆりなは意識はあるようだが、
目を開けない。顔色が悪い。
氷室
「アツシ、養護の先生、今日いるよな?
保健室に連れて行きます。」
オレはそのままゆりなを抱き上げた。
香山
「すまない。オレが連れていこう。」
氷室
「大丈夫ですよ。ここは陽泉だ。
保健室の場所わからないでしょう。
オレが連れて行きます。」
オレは香山を振り切り、
ゆりなを保健室へ連れて行った。
ガラッ…。
氷室
「失礼します。」
オレはゆりなをベッドに寝かし、
養護の先生に事情を話す。
養護教諭
「貧血ね。
最近寝てないんじゃないかしら?
少し休めば起きれると思うわ。」
ほっ…。
大事に至らなくてよかった…。
養護教諭
「氷室くん、
彼女に付き添ってもらっててもいい?
わたしね、今日の職員会議に
参加しなくちゃいけなくて…。」
氷室
「わかりました。」
養護教諭
「彼女が目を覚まして、
フラつかずに起き上がれたら、
先に帰ってて大丈夫よ。」
そう言うと、養護教諭は保健室を出た。
ゆりなと2人きりだ…。
氷室
「ゆりな…」
なぜオレを避けていたのだろう?
聞きたいことが色々あったが、
気づいたらゆりなの枕元で、
オレも寝てしまっていた。