第24章 -彦星-(虹村修造)★
「うん!全中、頑張ってね!」
「おう!…ックシュン!!」
修造はまだ
ワイシャツを着ていなかった。
「ほら〜風邪ひくよ?」
修造はやっとワイシャツを着た。
「そういや、ひかりさぁ?」
「ん?なぁに?」
「あれくらいの願いごとなら、
七夕かざりじゃなくて、
オレに言えよ。」
「えっ⁈」
七夕かざり…?
「ずっと一緒に…って、そんなの…」
…っ⁈
修造がまた抱き締めてくれた。
「オレが叶えてやるよ。」
そう言って修造は、
さらに強くギュッとしてくれた。
「しゅ…っ⁈えっ⁈修造っ⁈
ちょっ…なんで…それ…⁈
なんでわたしの
七夕のお願いごと知ってるの⁈」
す…すごい嬉しいけど…
嬉しいんだけど…
「あんな上に飾ったのに…‼︎」
「ん?んなの教えねーよ。
秘密だ、秘密♪」
(8日の朝練前にスーパーの前通ったら、
笹の葉下ろしてたんだよな…。
下ろしたら、上も下も関係ねぇし…
つぅか、あんな名前書いたら、
わかるっつーの!
ま…すげぇ嬉しかったけど…)
「ねぇ!
なんで⁈なんでわかったの⁈」
「だから、秘密だって♪」
「なんでーー⁈」
修造の腕を掴んだまま、
必死で聞いてるのに、
結局修造は教えてくれなかった。
「でも、お願い叶えてくれるなら、
修造は彦星さまだね♪」
「じゃ、ひかりは織姫か?」
「「…っ‼︎」」
きっと修造も
同じコトを思ったのだろう。
2人で同時に笑ってしまった。
「2年前のバレンタインは、
姫と王子だったのにね(笑)」
「織姫と彦星も
同じようなもんだろ(笑)」
「じゃあ、お願いごと、よろしくね。
彦星さま♪」
「あぁ。」
数ヶ月後、修造は
アメリカに行くコトを決意する。
この時のわたしたちは、
まだ何も知らない。
でも、たしかに…
離ればなれになってしまうけど…
修造は言ったコトは
ちゃんと守ってくれる。
きっと修造とわたしは、
心が繋がっているから大丈夫。
織姫と彦星もそうでしょ…?
織姫と彦星は
1年に1度しか会えないけど、
修造とわたしは…
いつかまた、
ずっと一緒にいられるようになる。
信じてるよ、修造。
大好き。
---End---