第23章 -同盟-(紫原敦)
「えっ⁈」
紫原くんは、
わたしを抱き締めてくれる力を
いっこうに緩める気配がない。
「オレ、毎日、
”すみれちん”大好き〜って
い〜っつも言ってたでしょ〜?」
「えっ⁈
”お菓子”のコトじゃなかったの?」
わたしがポカンとして言うと、
紫原くんはため息をついていた。
「あ〜らら。
本当に室ちんの言う通りだったとは…」
紫原くんは困ったように、
でも、ちょっと呆れたように、
わたしの頭を撫でた。
「で?すみれちんは?」
「え…?」
ちゃ…ちゃんと言わなきゃ‼︎
「わたしも…好きっ‼︎‼︎」
「”何が”好きなの?」
真っ赤になっているわたしを
容赦無く見つめる紫原くん…
わたしはさらに真っ赤になる。
「”紫原くんが”…好き…です!」
「うん!
オレもすみれちんが好き〜」
紫原くんがまた力強く、
わたしを抱き締めてくれる。
「紫原くん!痛いってば…」
でも、嬉しい痛みだった。
「あ!そうだ!
あとさ〜すみれちん?」
「ん?なぁに?」
「室ちんにカップケーキ、
あげなくていいから。」
「えっ⁈」
紫原くんを見上げると、
つーんと拗ねた表情をしていた。
か…可愛い‼︎
「お菓子同盟の条件
1つ追加されちゃったね(笑)」
わたしは思わずクスクス笑いながら、
紫原くんにギューッと抱きついた。
「他の人にもダメ。オレだけだよ。」
「は〜い。」
…(笑)
---End---