第22章 -彼氏-(日向順平)
「さっき話したしさ♪
もうお友だちじゃん?」
「あの…わたし…片付けが…」
「うんうん♪片付け行くなら、
ちゃんと連絡先教えてからね〜♪
そういう決まりなんだよ〜?」
「な〜っにが”そういう決まり”だよ?」
「「「…っ⁈」」」
「きゃ…。」
さっきの休憩の時に見た
○○高校の奴らのうちの1人が
すみれを引っ張った瞬間、
オレは自分の方へ
すみれを引き寄せた。
「順平先輩…⁈」
ビックリしたように
すみれがオレを見上げていた。
「チッ…なんなんだよ…」
「あぁん⁈」
「「「…⁈」」」
○○高校の奴らは、
結局そのまま行ってしまった。
「……。」
暫くお互い黙ったままだったが、
ガマンできなくて、
オレから話しかけた。
「…ダァホ!!」
「きゃ…っ。」
話しかけたっつぅか、
オレはすみれを軽くこずいた。
すみれは空いてるほうの手で、
頭をおさえている。
「あぁゆうのはハッキリ断れ!」
「で…でも…」
「”でも”じゃねーよ!ダァホ!!
毎回毎回、今みたいに
オレが助けに来てやれる
わけじゃねーんだからな⁈」
「…はい。」
すみれはシュンとして俯いていた。
「順平先輩…」
「なんだ?」
急にすみれがオレを見上げてきた。
「じゃあ…”彼氏がいるから”って…
言ってもいいですか?」
「…っ⁈
べ…別に…いいんじゃねーの?」
な…何言い出すのかと思えば…。
つか、彼氏…いるのかよ…
「でも…ウソはつきたくないから…」
…⁈どういうことだ⁈
「順平先輩が彼氏になってください♡」
「はっ⁈な…っ⁈おま…っ⁈…っ⁈」
すみれがニッコリしてオレに言う。
「わたし…順平先輩が好きです。」
「な…っ⁈いや…っ⁈すみれっ⁈」
「すみれちゃ〜ん!ちょっと来て〜!」
「あ!はーい!
順平先輩!
後でお返事聞かせてくださいね?」
カントクに呼ばれたすみれは、
そう言って行ってしまった。
入ってきた頃のあの
大人しいあいつはドコいったんだ?
……っ‼︎‼︎
返事なんか決まってるっつーの‼︎
好きだっ‼︎ダァホっ‼︎
---End---