第21章 -大雨-(高尾和成)
「…好きなんだよ。」
すみれの反則技に負け…
オレはついに告白しちまった。
こんな…
勢いに任せて言う気なんか
なかったんだけどな。
「…っ⁈」
「って、おい‼︎なんで泣くの⁈
すみれ〜っ⁇」
すみれは泣いてしまった。
オレは思わずアタフタしてしまい、
すみれの頭をポンポンとした。
「う…嬉しくて…」
「…っ⁈それって…」
マジかっ⁉︎
「わたしも和成が好きだよ。」
「すみれ〜っ‼︎」
オレは嬉しくて、
さらにすみれをギューッとした。
「ちょっ…どぉしたの?
急に甘えすぎでしょ?」
相変わらずすみれは
オレを突き放してくるが、
恥ずかしさからきてるんだと思うと、
ぜんぜん余裕だった。
「だって、ちょー嬉しいし!
すみれっ‼︎」
オレは嬉しさが込み上げて、
すみれをジッと見つめてきた。
やべ…可愛い…キスして〜な…
オレはそのまますみれを見つめ、
すみれに顔を近づける。
すみれも目をキュッと閉じて、
オレの腕をギュッとしてきた。
嫌がってはない…よな?
でも…寸前でオレはやめた。
いや…キスはしたい‼︎
でも…
「やっぱり今日はガマンっ‼︎」
オレが自分に言い聞かせていると、
ビックリしたようにすみれが
目を開けた。
「告白がこんなんになっちまったし、
ファーストキスはもっと
ロマンチックなトコでしたいしな♪」
「な…っ⁈」
「あ〜もっと色々考えてたのにな〜」
すみれが真っ赤になってて、
それがすごい可愛かった。
結局そのまますみれと
朝まで語り明かした。
でも、帰るとき…
「か…か…和成〜っ‼︎
下着見たのっ⁈」
乾かしてた服を見て、
めちゃくちゃ怒っていた。
どうやら、
ジャージの後ろに干してたのに、
ブラがジャージの前にあったから、
それで気づいたらしい。
「落ちてたんだって!
つか、いーじゃん!
晴れて彼カノの仲なんだし♡」
「それとこれとは別〜っ‼︎
バカずなり〜っ!」
そんでもって
合宿所に朝帰りしたオレ達が、
先輩たちに色々言われたのは…
言うまでもない。
---End---