第21章 -大雨-(高尾和成)
-すみれside-
「お〜い‼︎」
どうしよう。
「お〜い‼︎すみれちゃ〜ん?」
なんでこんなことに…
「すみれーっ‼︎」
ペチン☆
和成に頭を叩かれた。
「…っ⁈いたーいっ。」
「な〜に固まってんの(笑)?
ほら、タオル♪」
「…っ⁈ありがと…。」
「…っ⁈…おう。」
時間はもう夕方の5時…
さすがに今日は
道路の通行規制は
解除できないと言われ、
帰れなくなったわたしたちが
困り果てていると、
親切な民宿の方が声をかけてくれ、
雨宿りさせてくれるコトになった。
「でも、ごめんね〜。
今日は一部屋しか空いてないの。
でも、お風呂もお部屋についてるし、
泊まってっていいからね。」
うん…
とてもありがたい話だよね…
うん…
でも…和成と2人でココに泊まるの⁈
バサッ…
「和成っ⁈」
「なんだよ?」
「な、な…なんで脱ぐの⁈」
わたしの困惑をよそに、
突然和成がTシャツを脱ぎ出した。
鍛えられた上半身があらわになり、
わたしは思わず背を向けた。
「は⁈濡れてるし風邪ひくじゃん!
すみれもあっちで脱いで、
先にシャワーしてこいよ。」
体を拭きながら和成が言う。
「シャワーっ⁈あの…でも…っ…」
「なに?
オレ相手に意識してくれてんの(笑)?
珍しいじゃん(笑)」
「な…っ⁈い、意識って…⁈
あの…別に…っ‼︎」
わたしの気持ちはバレバレだった。
す…好きな人と2人きりで…
意識しないわけないじゃん‼︎
でも、そんなコト言えない…。
「あ〜!や〜らし〜(笑)
すみれ、オレとHしたいの(笑)?」
「な…っ⁈」
「あのさ、オレたちは雨宿りに来たの!
Hしに来たわけじゃないっしょ?」
「当たり前でしょっ⁈」
そ…そうだよ…
和成は、わたしのコト、
そういう目で見てないもん!
「じゃ、大丈夫だろ?
意識しすぎんな?」
和成がニカッとして、
わたしの頭をポンとした。
「和成……」
思わず和成を見上げて、
見つめてしまった。