第20章 -年上-(黄瀬涼太)**★
それから、練習に戻ったけど、
オレはまったく集中できなかった。
「涼……黄瀬くん!!」
自主練に入る前…
1度着替えて部室から出ると、
そこにはしずかっちと青柳さんがいた。
しずかっちは、
青柳さんを頼りきっているように
ギュッと青柳さんの腕に掴まっていた。
「あ…あのね…!
さっき聞いてたと思うけど、
わたし、青…誠と付き合ってるの!
だから…あの…」
「メールとか…やめてくれないか?」
しずかっちがことばにつまると、
その先を青柳さんが続けた。
「キミはまだ16だろ?
モデルもしてるんだって?
かなりモテるだろうし、
何を好き好んで
一回りも違うしずかに…。
キミにはもっと
相応しい人がいるはずだよ。
これ以上…
オレのしずかに手を出さないでくれ。」
青柳さんがそう言うと、
2人はオレの前から去って行った。
オレは何も言えなかった。