第2章 -百合-(氷室辰也)★
-ゆりなside-
辰也くんとかなり近い距離で、
それだけでドキドキしているのに、
辰也くんは「送る」と言い出した。
本当に家は近いし、本当にムリ。
これ以上ドキドキさせないで…。
辰也くんといると、
わたし、本当におかしい。
本当にムリだけど、
でも、もっと一緒にいたいと
思ってる自分もいる。
すごい矛盾…。
辰也くんは、どうにか
電車はおりずにいてくれた。
少し淋しい気がするけど、
きっと気のせいだ。
わたしは今日の感謝の気持ちを込めて、
辰也くんに手を振った。
はぁぁ。
すごい1日だったなぁ。
1日というか、この数時間で
わたしは恋をしたのかもしれない。