第14章 -告白-(虹村修造)★
-虹村side-
「王子さま…これ、姫から…です♡」
「な…っ⁈」
先輩たちにノセられたひかりさんは
何を思ったのか、はにかみながら…
上目遣いでオレに渡してきた。
「「おぉぉぉぉぉっ‼︎」」
「「ひかりさん、可愛い〜♡」」
周りの先輩や女子マネたちが、
歓声をあげた。
「う〜ん…30点…!
お姫さまってわかんない…。
ただのぶりっ子になっちゃった(笑)」
恥ずかしそうに、
ひかりさんはペロッと舌を出して、
ニコニコ笑っていた。
……反則だろ。
つか、30点は低すぎるだろ。
「ひかりさん、ノセられすぎです。」
「ははっ。ゴメンね。
もっと可愛くできるように
練習しとかなきゃ(笑)」
いや…だから、十分だっつぅの。
可愛すぎる…。
マネージャー達皆からだったけど、
ひかりさんから受け取りたい…
密かにそう思ってたら、
ひかりさんがオレの所に来た。
…が、甘かった。
ひかりさんから受け取るだけで
終わるわけがなく、
先輩たちにからかわれてしまった。
たぶんひかりさんは、
その場をおさめようと、
わざとやったのかもしれないが、
オレには十分すぎた。
心臓がバクバクしている。
それを悟られないようにするのに必死で、
オレはいつもより
そっけなかったかもしれない。
「はいはい!これくらいで〜!」
ひかりさんはパンパンと手を叩き、
場の空気を変えた。
「ほら!そろそろ練習始めなきゃ!
30点とはいえ、ひかりさんが
あんなにお姫さま頑張ったんだから、
皆は今日のフットワーク3倍ね♡
コーチたちに言っとく〜♪」
「「え…っ⁈ひかりさん⁈」」
部員全員固まった。
ひかりさんがコーチに言うと、
ほぼほぼ確実に練習メニューは
ひかりさんの言う通りになる。
コーチはひかりさんに甘い。
青ざめる部員たちをよそに、
ひかりさんは
コーチのほうへ行こうとしたが、
オレの横を通りすぎる時に
そっとオレの耳元で囁いた。
「自主練前に部室で待ってて。」
…っ⁈
ひかりさんは何事もなかったかのように
オレの横を通り過ぎて行ってしまった。