第14章 -告白-(虹村修造)★
-ひかりside-
ムリヤリ…半強制的な気もするけど、
虹村くんがバレンタイン…
受け取ってくれると言ってくれた。
正確には頷いてくれただけだけど…。
我ながら、ズルい言い方だ。
断られるのが怖いからって、
あんな伏線はって…。
虹村くんは、
運動会の話を持ち出したこと、
嫌だと思ったかもしれない…。
でも、やっぱり、
もらってくれるだけでも嬉しかった。
わたしはそれから毎日、
料理本やネットでレシピを調べた。
マネージャー達から
バスケ部の皆にあげるクッキーを、
バレンタイン前日に
マネージャー皆でウチで作り、
ラッピングもした。
そして、皆が帰ってから、
虹村くんにあげる分を作った。
結局0時過ぎてしまったけど、
ラッピングも含め、
我ながら上出来だった。
本命…ではあるんだけど、
あくまでお礼…。
本命なんて言ったら…重いよね。
バレンタイン当日になり、
部活前に皆で作ったクッキーを
部員全員に渡した。
「虹村くん!はい。どぉぞ。」
「あ…。ありがとうござ…」
「おっ‼︎虹村〜っ!
またお姫さま抱っこしちゃえよ♪」
「…⁈」
…⁈
虹村くんのことばを遮り、
2年生たちがからかってきた。
虹村くんは
「うっせぇ‼︎」と言いかけたが、
先輩相手だから堪えていた。
そんな様子を見て思わず
クスクス笑ってしまう。
かわいいなぁ。
「ひかりさーん。
お姫さまっぽくお願いします♪」
「えぇっ⁈」
今度はわたしが
からかわれてしまった。
「お姫さまっぽくって〜?」
恥ずかしい気持ちを押し隠し、
あくまで平然と聞いてみる。
「う〜ん?あ!キスしたりとか♪」
「ふーざーけーすーぎっ。」
わたしは言ってきた2年生に
デコピンをした。
「お姫さまっぽくかぁ…。」
ココでわたしまで照れたら、
もっとからかわれちゃうよね…。
「うーん…じゃあ…」
わたしはその場から
虹村くんの前に1歩進み出た。