第10章 -理想-(火神大我)*★
-現在-(火神自宅)
ヤバい…ヤバいだろ…
オレ…メールなんて送ってねぇぞ。
でも、オレのスマホの送信済BOXには
たしかに篠崎宛のメールがあった。
しかも、『元気か?』だけ…。
なんでだぁ…⁈
つい、受信BOXも見てしまうが、
篠崎からのメールはない。
ピコン♪
「おわぁっ⁈」
突然のメールの受信音に
思わず声を出してしまった。
篠崎か⁈
慌ててメールを見ると、
篠崎ではなく、黒子からだった。
Sub.お疲れ様です。
『合宿お疲れ様でした。
でも、火神くん、いつもより
集中していなかったように
感じました。
集中していなかったのは、
何か別のことを
考えていたからですか?
追伸
帰りの電車で火神くんが寝ている時に
電車の揺れでスマホが落ちてしまい、
ボクが拾う時に
メール画面を見てしまいました。
人のものをすみません。
お詫びに送信しておきました。
篠崎さんから返信はありましたか?』
な、
な、
な、
「なんだと〜〜〜〜〜〜っ⁈」
黒子の奴っ‼︎
あいつぜってぇ許さねぇ‼︎
明日覚えてろよ〜っ!
つか、集中してたし…。
しかも、よりにもよって、
あの4文字だけのメールを…。
またスマホを見るが、メールはこない。
別に篠崎が好きとか、
気になるとかじゃねぇ。
こないだから、あいつ…
なんか危なっかしいし、
ほっとけないっつぅか…。
いや、気にしてるわけじゃねぇ!
ただ…あいつはちょっと
生意気なくらいがちょうどいい。
なのに、最近生意気でもないし、
そもそもオレを無視しやがる。
なんとなく…なんとなくだが、
本当は理由は想像がついていた。
自分から宮地に付き合ってるとか
宣言したくせに…。
オレは別に本気にしてねぇぞ。
あいつが強がってただけなのは
オレだってわかってるし…。
その場では一瞬ドキッとしたけど。
なんで急にあんな…。
ったく…あいつはいつもいつも…
1人で抱えて強がりやがって…
夏祭りのときだって…