第9章 -安心-(木吉鉄平)*
-すみれside-
合宿所に着く前から一悶着あったけど、
…って、わたしのせいか。
木吉くんにも怒られちゃったし…
恥ずかしいなぁ…。
合宿所に着いて、
とりあえず部屋に荷物を置いて、
わたしは運動はしないけど、
一応わたしも
動きやすい服装に着替える。
「あ♡リコさーん♡
よろしくお願いします。」
「あっ。う、うん!」
女子はわたしたちと
さっきいた女のコだけなので、
3人同じ部屋だそうだ。
珍しくリコがテンパってる…。
どうしたんだろ?
それにしても美少女だなぁ。
皆着替えているので、
チラリと盗み見してしまう…。
スタイルもいいし、完璧っ。
可愛いなぁ。
なんて思ってたら、
向こうから挨拶してくれた。
「あ♡すみれさんですよね♡
桐皇の桃井さつきです。
さっきは青峰くんがすみませんでした。」
か…可愛い…。
「檜原すみれです。
こちらこそよろしくお願いします。
むしろ、わたしのほうが…。
初対面で怒ったり…」
「いえ〜。
青峰くんにあんなに言えて、
しかも青峰くん言うこと聞いてたし!
すみれさんスゴイです!」
「…?そうなの?」
トントン…!
部屋をノックする音が聞こえた。
「あ、わたし出るね。」
わたしはドアを開けに行った。
「はーい!」
ガチャ…と開けると、
目の前に男の人の胸元があった。
顔は見えない。
でも、きっと…!
「やっぱり♪
木吉くんだぁ。どうしたの?」
ドアから1歩出て見上げると、
木吉くんがいた。
「おっ。すみれも着替えたのか?
バスケするか?」
木吉くんが冗談を言う。
わたしは淡い水色のハーフパンツに
白のTシャツだった。
「バスケはできないよー。
運動ダメなの知ってるくせに〜。
色々お手伝いしたり料理するなら、
動きやすい格好のほうがいいから。」
「そうだな。
Tシャツでもすみれは可愛いな。」
「えっ⁈」
うそ…?可愛い…?
「あぁ。すみれは可愛いぞ。
だから、頑張ろうな。」
…?
よ、よくわからないけど…
喜んでいいのかな…