第8章 -大凶-(緑間真太郎)*★
-かんなside-
試合前に火神くんが
緑間くんたちと何か話してたのが
すごい気になる…。
か…火神くん…
余計なこと言ってないよね⁈
そんな心配をよそに試合は始まった。
試合開始早々…緑間くんのシュート…
かんな
「え…⁉︎あそこから打つの⁈⁈」
目を疑った。
バスケで1番遠いシュートなんて、
あの半円の3ポイントシュートでしょ…⁈
センターラインよりも
遠くから打つなんて
聞いたことも観たこともない。
しかも入っちゃうなんて…‼︎
わたしとみつばはポカンとして
呆気に取られていたが、
ふたばさんとくるみちゃんは
ぜんぜん驚いていなかった。
ふたば
「ビックリした?」
かんな
「は…はい。」
くるみ
「緑間くんはキセキの世代の中でも
ナンバー1シューターなんです。」
そういえばそんなことを
黒子くんたちが言ってたけど…。
次元が違いすぎる。
もちろん、
火神くんや黒子くんもすごかった。
それでもわたしは気がついたら、
緑間くんばかり目で追っていた。
恋をしていたからだけじゃなくて、
完全に彼のプレイに魅了されていた。
そして、
あっという間に試合が終わった。
接戦だったけど、
結果は引き分けだった。
かんな
「…すごかったね。」
みつば
「……うん。ビックリ…した。」
この時、みつばが
ビックリしたと言ってるのは、
緑間くんのことだと思ってたけど、
別のことだと知ったのは、
もうちょっと後のこと…。
ふたば
「ね、一緒に下に行かない?
緑間くんと話したいでしょ?」
かんな
「えっ⁈でも…あの…やっぱり…」
ふたば
「いいから、いいから♪」
みつば
「あ、でも、お姉ちゃん、
黒子くんも紹介してくれるから…」
ふたば
「あ、そっか!
でも、とりあえず行こ。」
ふたばさんに促され、
わたしたちは秀徳のベンチに行った。
ふたば
「お疲れさま♪緑間くん!
ちょっといいかな?」
緑間
「…篠崎さん⁈」
ど…どうしよう…
やっぱり恥ずかしすぎる…。
黒子
「緑間くん!
あれ…?ちょうどよかった。」
ふたば、みつば、くるみ
「きゃああっ。」
ふたばさんたちはともかく…
みつばは相変わらず黒子くんに
気づいていないみたいだった。