第8章 -大凶-(緑間真太郎)＊★

練習試合当日、
アップをしていると、
木村さんがギャラリーを見て、
宮地さんに話しかけていた。


木村
「なぁ、宮地！あの上で観てる
誠凛の2人、可愛くないか？」


宮地
「あぁ⁈どこだよ？」


高尾
「あ！あそこっすか⁈
たしかに〜♪
つか、左のコ…どっかで…
あ！篠崎さんに似てません？」


宮地
「ふたばに⁈あいつくらい
可愛いやつなんているかよ。」


高尾
「宮地さん、何惚気てんすかぁ⁈
ブフッ…ハハハハッ‼︎」


宮地
「うっせぇ‼︎轢くぞ！高尾‼︎
つか…なんだ、みつばじゃん。
珍しいな。みつばーっ‼︎」


宮地さんが笑顔でギャラリーの
女に向かって手を振っていた。


木村
「宮地⁉︎お前、篠崎来てんだろ⁈
他の女のコに
手なんか振っていいのかよ？」


宮地
「は？あいつ、ふたばの妹。
あいつもオレの幼なじみだし。」


高尾
「マジっすか〜⁈
どうりで似てるはずっすね〜。」



宮地さんが笑顔で手を振った先を
ふとオレも見上げた。



ボンッ‼︎……ポンポンポン…




高尾
「おいっ‼︎真ちゃん⁈」



オレは見上げてビックリしすぎて、
思わずボールを落としてしまった。



宮地さんが篠崎さんの妹だと話した
女の隣にあの巫女がいた。


黒子
「緑間くん。お久しぶりです。」


緑間
「…っ⁈あ…あぁ。」


どこからともなく黒子が現れた。
相変わらずこいつの
この登場の仕方には慣れん。


黒子
「さっき、体育館の上見てましたね。」


緑間
「み…見てないのだよ。」


黒子
「…そうですか。」


…⁈

黒子は突然、
あの巫女たちに手を振った。

篠崎さんの妹はすぐ気づかなかったが、
あの巫女はすぐに気づいた。


緑間
「知り合いなのか⁈」


黒子
「はい。同じクラスです。
右のコは藤宮神社で巫女をしています。
藤宮神社の娘さんなんです。」


緑間
「な、なぜそれをオレに言うのだよ？」


間違いない。あの巫女だ…。
まさか黒子のクラスメイトとは…。


黒子
「いえ、緑間くんも
覚えているかもと思ったので…。
今日もいい試合をしましょう。」


それだけ言うと黒子はまた消えた。



”緑間くんも”…そう黒子は言った。


それはつまりあの巫女も…
オレのことを
覚えていたということなのだろうか？