第2章 メアリーの画の部屋
黄色い薔薇をライターで燃やし、階段を駆け上がるとそこには黒とピンクだけの玩具の転がった部屋があった。
「なにこれ…気味が悪いわね…」
ギャリーが自分の腕を抱き、ブルっと身震いをする。
イヴは周りを見渡すと、奥に飾ってある画に目をつけた。
「ギャリー、あれ…」
イヴはその画を指さす。
ギャリーはその指さす方向に目を向け首をかしげた。
「何かしらね…見てみましょう」
ギャリーと2人で奥にある画まで歩こうとしたときー…
「誰かいるの?」
階段の方から、あの高い声が聞こえた。
後ろを振り向くと、そこにはメアリーが立っていた。
「メアリー…あんたっ」
ギャリーが息を飲む。
「…どうしてここに居るの?」
メアリーがイヴたちを睨む。
「早く出てって…」
メアリーはポケットからパレットナイフを取り出し、攻撃の体制へとはいる。
「はやくはやくハヤク!!!!!」
どんどん声が荒くなり
「出て行けえええええええええええ!!!」
メアリーのその声と供にメアリーの足元からバキッとヒビが入る。
「イヴっ逃げるわよ!」
パレットナイフを持ち走り寄るメアリーから逃げようとギャリーはイヴを抱き寄せる。
とにかく今は逃げるしか!
部屋の奥へと走る。
どんどん画に近付いていく。
そしてはっきり見えた画は…
真ん中だけビリビリに破けてなかった。
これ…メアリーの絵が描かれた画なんだ…。
すぐにわかったイヴはメアリーの方を見た。
「イヴ?」
「ギャリー、ここで待ってて欲しいな」
「え、何言って」
イヴはギャリーの言葉を最後まで聞かず、走り寄るメアリーの方へ歩み寄った。