第6章 分隊長の恋/ジャン
『ぁあ、ん…っ……隊長…‼︎』
は切なげに俺を呼んで視線を絡ませてくる。
その唇に親指を這わせて、つうっと柔らかい熱をなぞっていった。
「ジャンでいいよ」
『……っそ、んな』
「俺のお嫁さんになるんだろ?」
精一杯の愛を込めて言葉を紡ぐ。
文字通り身も心もひとつになった俺達は互いの体温を何度も交換し合った。
ジュプ……ッ
『や、あっ……ジャン…すご、気持ちい……っ』
ベッドのスプリングが古びた音を立てて軋む。
快感が強くなる度にキツくなっていくの中は溶ろけそうな程に熱い。
「や、べ……凄ぇイイ」
プロポーズが成功した後のセックスは格別で、俺は普段よりも早く射精感に襲われていた。
「もう……出ちまう、かも」
『んっ…私も……‼︎』
まさに幸せの絶頂を同時に迎えようとした、その時。
俺は思い出した。
あいつに支配されていた屈辱を。
実家の中に囚われていた事実を。
バターンッ‼︎
「ジャン坊!夜食にオムオム作ってみたんだけどさんと一緒にどうだい?」
「ノックしろよババアァァ‼︎」
[分隊長の恋]完