第1章 SHE IS MY.../ジャン
二人の荒い息遣いだけが残る室内。
ベッドの傍らに置かれた机には巻きかけの包帯が転がっている。
ジャンに腕枕をされているは複雑な面持ちで上官の顔を見つめていた。
「ん……どうした?」
彼女の不安を知ってか知らずか、身勝手な告白と情事だけを終えたジャンはを見つめ返す。
『いえ、別に……何でもありません』
不貞腐れた様子で自身の胸板に顔を埋めてしまった。
ジャンはそんな彼女を見て重大な事に気が付いた。
しまった。
我欲だけが先走りし過ぎた。
ああ、これだから俺はモテないんだ。
彼は苦悩する。
そして一頻り自責の念に苛まれた後、
を強く抱き締めてこう言った。
「なあ……俺とさ、付き合ってよ」
ジャンの言葉にはパッと花が咲いたように顔を上げる。
この時の彼女が見せた笑顔は一生の宝物だと、キルシュタイン分隊長は後日コニーに自慢しまくるのであった。
[SHE IS MY...]完