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恥ずかしがりやの彼女を素直にさせる方法

第4章 それぞれの独占欲。


【悠side】



潤んだ瞳をトロンとさせ、頬を赤らめる花音を残し、更衣室を出た。



ーーまったく……いいところだったのに……
ゆりのやつ……




悠「わりぃ、待たせた。」



平然を装いゆりに声をかける。
すると、ゆりは驚いたように目を見開き、俺を凝視した。



悠「…何?俺の顔、何かついてる?」



そう訪ねると、ゆりはパッと目をそらし、顔を赤らめた。


ゆり「何か…今の悠さんの顔……すごい、色っぽい感じがして……あっ!いつも色っぽいんだけどっなんか今はいつもに増して凄いというか……」



ゆりはあたふたと落ち着かない様子だ。



悠「…そうか?別に何も変わらないけど……私服だから雰囲気違うんじゃない?」



ゆり「そっそうだよねぇ!…でも…もっと悠さんのこと…好きになっちゃうよ」



そう言うとゆりは俺に体を近づけ、見上げてきた。
こういう計算高い女には慣れているが、正直、めんどくさいと感じてしまう。



悠「…こら、離れて?お前まだ、仕事中だろ?」



ゆり「む~悠さんケチ~!ね…お仕事頑張るから……ちゅー、して?」



多分普通は今のゆりみたいな子に甘えられると嬉しいんだろうけど、正直、俺は花音以外にそういう気持ちは全く浮かばない。



悠「…バカ言ってんな。早く仕事戻んな?……あぁそうだった。忘れ物って?」



ゆりのおでこを小突くとゆりは拗ねたような顔をした。



ゆり「もぅっ!悠さんのいじわるぅ~。……これ、忘れてたよぉ♡」



ゆりの掌には俺のボールペン。



悠「え…こんなん別に店に置いといてくれたらよかったんだけど…」



あからさまに俺は不機嫌な声を出す。

こんなんのために、わざわざあんな状態の花音を置いて来たかと思うと、腹が立ってくる。



ゆり「えへ♡だって、悠さんの顔見たかったの…♡」



気分を害した俺は適当にゆりをあしらい、愛しの彼女の待つ部屋へと戻った。
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