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Liebe ohne Anfang(進撃:ベルトルト夢)

第1章 Liebe ohne Anfang


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 ウォール・マリア襲撃事件から三年後、13歳になったは同郷のエレン、ミカサ、そしてアルミンと共に第104期訓練兵団へ入団した。同郷と言っても、三人とは知り合い程度であり、は殆ど一匹狼の状態で訓練に励む。

 入団より半年の成績は中の上。斗出した素質は無く、立体機動の使いこなしも並。座学は平均より上程度で、実践訓練で仕留める巨人の数はまずまず。何に置いてもギリギリで試験を合格する位の実力だ。班を構成すればリーダーの指示に的確に従うが、逆に臨機応変な対応は少々苦手なようだ。

 性格は内気。どんな人物とも対応できるが、自己主張を通せない節がある。訓練時以外でも積極性は無く、殆どの時間を一人で過ごしていた。だからと言って、話しかければ喋らない事もない。周りから嫌われてはいないが、同時に好かれてもいないような人物。それがであった。

 そんなは、珍しく訓練の無い午後を堪能していた。自室で趣味である絵を数枚描き上げ、場所を変えようと道具を持って人の居る広場へ向かっていたのだ。外へ出れば、気持ちの良い午後に似つかわしい青い空が広がっていた。それを見上げるように足を進める。

 しかし、建物の角を曲がろうとしたその時、彼女は向こうから来た人物とぶつかってしまう。いたっ、と小さく呟き、手にしていた紙束を地面に落とす。ぱらぱらと地面に広がる紙を見て慌てるが、何よりも先に、目の前の人物に謝る。
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