第8章 私は兄が嫌いで好き?〈及川徹〉
兄を置いて家に向かう。
買い物をしたときは少し狭い道を通って近道していた。
いつもよく通る道。
だけど今日はいつもと違った。
男1「ねー君カワイイね!!」
男2「その制服青城の子だよね!?俺等と遊ばない?」
男3「好きなとこ連れててあげるからさ〜!」
目の前に年上らしい男達が現れて道を塞いだ。
正直こういうのは苦手だ。
いつもチャラチャラというか女子に軽々しく声かけるのは兄もそうだが、
この人たちはガラが悪い。
ピアスとかいっぱい付けてるし
髪も染めてる。
だらしない服装にタバコの臭いもした。
いつもはこんなことないのに…。ホントついてない。
(いつも通り…いつも通り…。)
私は心の中にそう言い聞かせた。
変に声あげたり抵抗すると余計彼等はそれを面白がりしつこくなる。
「いいえ。私急いでいるので…。」
あまり彼等と目を合わせないように答えた。
男1「何々つれないなー!!」
男3「別に変なことしないって♪」
ヘラヘラと笑う男達。
「いえ。本当大丈夫なのでそこどいてください。」
私が前に進もうとしたときいきなり男の一人に腕を捕まれた。
男2「いいから!!来なって!!」
「やっ…離して!!」
つい叫んでしまった。
男1「なーんだカワイイ声も出すんだ♪」
男達の顔がニヤけたのがわかった。
「っっ//!!」
男2「怖くないからほら…!」
グイッと腕を引っ張られる。
「ヤダ!!離してよ!!」
私は怖くなって声をあげる。
そんな私を見て男達はやっぱり面白がっているようだった。
抵抗しても男の力は強くて振り払えない。
涙が少し流れた。
(なんでこうなっちゃったの…?買い物なんて来なきゃよかった…。)
そう後悔したときだった。
グッと方を後ろに引っ張られた。