第8章 私は兄が嫌いで好き?〈及川徹〉
そして放課後―
玄関に向かうとすでに兄はいた。
女子に囲まれて…。
徹「あ!!朱鳥こっちだよ!!」
私に気づくと手を振ってきた。
私はため息を一つして兄の方に向かった。
兄は
徹「俺、これから妹と買い物行くからゴメンね!?」
と残念そうな顔をする女子達に言って来た。
―近所のスーパー―
徹「ねぇー朱鳥牛乳パン買おうよ!」
「ダメ。もう買う物決まっているし予算オーバーするかもだし。自分で買ってください。」
徹「大丈夫だって少しぐらい♪」
兄は私が押しているカートの中に牛乳パンを二つ入れた。
「あっ!!ちょっと!!
ってかなんで二つもなのよ!!」
徹「なんでって朱鳥の分だよ♪
大丈夫ちょっとあとでお金渡すから!!」
「……もう……。」
これが私が兄と買い物に行きたくない理由の一つ。
それから…―
徹「あ、荷物は俺が持つよ。そのために来たんだし!」
レジで会計を終え買ったものを袋に詰めて持とうとしたときそう言って袋を持った。
「…ありがと……。」
徹「え何!?今"ありがと"って言った!?」
嬉しそうに聞き直してくる兄。
「うっさい!!黙れ!!」
基本兄に礼なんて言わないけど…こう何かしてもらったときに礼を言わないのは自分的にイヤ…。
だから礼を言ったのにそんなに嬉しがらなくても。
でもスーパーを出てすぐ
学校の女子達に会ってしまった。