第78章 1ヶ月間の出会い。〈岩泉一〉
その笑顔を見るのも最後だと思うと、胸が苦しくなった気がした。
一「あと、伝えておきたいこともあるんだ。」
「?」
首をかしげて何のしてないだろう朱鳥に俺はようやく思いを伝えた。
一「俺…………お前のことが好きなんだ…。もう会えなくなるかもしれいから、ちゃんと伝えようと思ってたんだ。」
そう言って気が付けば朱鳥が持っていた荷物は地面に落ちていて、縋るように朱鳥が俺に抱きついていた。
そして、少し震えた声で言った。
「…もう…会えなくなるなんて、言わないで……。……私も……一くんのこと好き…。……だから…必ずまた会おうよ………。」
俺はそれを理解すると
強く抱きしめた。
一「………あぁ…そうだな…。必ず会おう……。…会いに行くから…。」
その時の俺は嬉しさとか寂しさとかの感情が入り交じって少し泣いていた。
そして、顔は見えなかったけど朱鳥も泣いているようだった。
「うん。ずっと待ってる……。」
-1ヶ月間の出会い。-
END