第78章 1ヶ月間の出会い。〈岩泉一〉
その後、
ちょうど5時を過ぎたぐらいにじいちゃんに「また来るから」と伝え、施設を出ると。
「あ、隆広さんの…。」
ちょうど職員玄関の方からさっきの人が出てきた。
一「あ、さっきの。」
「どうも。隆広さんとはたくさんお話しできましたか?」
一「まぁーそうッスね。そっちは今、仕事終わったところなんですか?」
「そうなんです。まぁー仕事って言っても私、専門学校から実習に来てるだけなんだけどね。」
一「そうなんッスか」
「そういえば、会ったときに制服で気づいたんだけど君、青城の生徒ですよね!私、去年まで青城生だったんです。」
年が近いとは思っていたけどまさかひとつしか変わらないなんて。
しかも青城の卒業生だったとは…。
しかも……
「ええ。それに君バレー部ですよね?まだ青城に通ってた頃たまに体育館で見かけたので。あ!ちなみに私もバレー部だったんですよ。生徒数多いし、そんなに強くないから知らないかもしれないですけど。」
一「へー、なんか偶然ッスね。」
本当偶然にもほどがある。
その日はその人に電話が来て、俺は軽く挨拶をしてから帰った。