第77章 君に捧げるこの想い〈海信行〉
〔…!?〕
その途端、黒羽も含めて驚いたように黙り込んだ。
そりゃそうだ。
自分で言うのもなんだけど、俺はあまり声をあげたり、怒鳴ったりしないほうだ。
なのに黒羽が黒尾たちと楽しそうに話してたり、軽く抱きつかれただけで、こんなにも感情的になった。
「……海くん…?」
いつもと違う俺を心配そうに黒羽が声をかける。
海「悪い、大声だして。俺先帰るわ。」
だけど、俺はその場にいるのが気まずくてみんなに背を向けて歩き出した。
夜「お、おう。」
黒「…また明日な。」
黒尾たちも心配しているのがわかった。
だけど今の俺にはその場から逃げることしかできなかった。
「え?か、海くん!!」
重い気持ちのまま一人通学路を帰っていると。
「ま、待って!海くん!!」
その声に無理向くと黒羽が走って追いかけてきた。
海「黒羽……。」
海「どうしちゃったの?なんかいつもの海くんじゃないみたい。私なんかした?」
俺が勝手に気まずくして、帰ってしまったのに黒羽は自分が悪かったんじゃないかって反省していた。
海「…いや、黒羽はなにも悪くないよ。ただ俺が大人になれなかっただけだから。」
「……どういうこと?」
黒羽は首をかしげた。
もう、どうでもいいそんな気持ちで俺は言った。