第74章 抱えた思い〈松川一静〉
*朱鳥
「おーやってるな!」
その声に私は振り向いく。
体育館の入り口近くに松川先輩が立っていた。
「あ、松川先輩!見に来てくれたんですね!…あれ他の先輩方は?」
私は嬉しくて駆けよった。
松「及川と岩泉は決勝見に行ったらしい。花巻は進路のことで担任に呼び出されたらしいんだわ。俺は今日は別に何もなかったからさ。」
春高予選が終わって、先輩たちは引退試合した。
寂しい気持ちもあるけど、来年は絶対全国に行くために、次の日から一・二年のみで練習が始まった。
「そうなんですか。及川先輩たちはともかく、花巻先輩は進路ですか…大変ですね。松川先輩は進学でしたっけ?」
松「あぁ。東京の方の大学行くつもり。」
「そうなんですか。松川先輩頭いいですもんね。」
その言葉を聞いて少し寂しく感じる。
松「別にそんなことはないけどな。」
松川先輩はそう言うけど、他の先輩達の話によると学年で上位らしい。
部活が忙しい中、いつ勉強してるのだろうとつくづく思う。