第73章 憧れのあの人〈赤葦京治〉
卒業式の日。
式が終わって卒業生が友達や俺たち後輩最後かもしれない話をしてい中、俺は黒羽さんを人気のいないところに呼び出した。
赤「黒羽さん、卒業おめでとうございます。大学頑張ってください。」
「ありがとう。赤葦も部活大変だろうけど頑張ってね!」
赤「はい…。」
すると、俺の様子がいつもと違って見えたのか聞いてきた。
「何か元気ないね?どうかしたの?もしかして私がそ卒業して寂しいとか?」
赤「……はい。」
黒羽さんは冗談で言ったのかもしれないけど、俺は素直に答えた。
その瞬間黒羽さんから笑顔が消えた。
「…え……?」
赤「俺、黒羽さんと会えなくなって寂しいです…。…あなたは俺の……憧れで好きな人だから……。」
「……赤葦……。」
赤「ずっと言おう思ってたんです…。ただ、黒羽さんは受験控えていたし、会うこともあまりなかったので黙ってました。…でももう今日で会えなくなるので伝えました。……俺は黒羽さんが本気で好きなんです。」
やっと言えた自分の気持ちに。
言えなかった今までよりスッキリした感はあったけど、それでも不安がないわけではない。