第73章 憧れのあの人〈赤葦京治〉
「よし、じゃあそろそろ帰ろうか?付き合ってくれてありがとうね!お礼にここは私の奢りにしとくから。」
黒羽さんはそう言うと伝票を取ってレジへと向かった
赤「え、いや、いいですよ。俺の分は自分で払います。」
慌ててあとを追って言うが。
「いいのいいの。たまには先輩らしいことさせてよ。」
と、笑って言われた。
赤「…じゃあ…ごちそうさまです。」
あんまり言い過ぎるのも悪いと思い、その場黒羽さんに奢ってもらうことにした。
そして店を出て、家の方向が違うため別れて帰ろうとなった。
ただ、俺はせっかく黒羽さんに会えたのに、このまま何の進展終わらせるのが嫌で、思いきって聞いた。
赤「あの、よかったら黒羽さんの連絡先教えてもらってもいいですか?」
バレー部だったとはいえ、全員分は知ってるわけではなく、よく話す人や仲がいい人しか知らなかった。…そして黒羽のも…。
「あーそういえば、私部活だと3年の分しか登録してなかった。うん、いいよ。」
もう、ほとんど関わらないかもしれないのに、黒羽さんはあっさり教えてくれた。
赤「ありがとうございます。」
黒羽さんとLINEを交換して、それを気にときどき、連絡を取るようになった。
もちろん、黒羽さんの勉強の邪魔にならない程度に。