第73章 憧れのあの人〈赤葦京治〉
そんな日が何日も続き、夏休み後半になったときだ。
俺が部活を終えて、先輩達と別れ1人自宅へ帰っていたら、偶然にも黒羽さんに会った。
「あれ?赤葦?!」
赤「黒羽さん。」
黒羽さんは俺に気づくと前と駆け寄ってきた。
久々に見たせいか、髪が少し伸びているようだった。
「なんか久しぶりだね?!どうバレー部は?」
久々でも黒羽さんは前と変わらない様子で話し出した。
赤「まぁ、いつも通りですよ。この間も合同合宿ありましたし。」
「あー毎年やってるアレね!音駒とかまた強くなってたんじゃない?」
黒羽さんは懐かしそうに俺の話を聞いた。
赤「そうですね、それに、今年は宮城の烏野って学校も入ってきたので、いい練習になりました。」
「烏野?」
赤「音駒の昔からの因縁のライバルみたいですよ。結構強かったですよ。」
「へぇー赤葦がそう言うなら本当に強いんだね。」
赤「黒羽さんは塾とかの帰りですか?」
「うん、夏期講習を終えたとこ。あ、この後なんかある?」
赤「いえ、ありませんけど…。」
特に用がない俺がそう言うと。
「じゃあさ、そこの喫茶店でお茶していかない?もう少し赤葦の話聞きたいし。」
と、誘われた。
赤「いいですよ。」
俺も久々に会えて、嬉しくてその誘いに乗り、俺たちは近くの喫茶店に寄った。