第71章 君を幸せにできるのは…〈及川徹〉
「……なによ……今さらそんなこと言わないで……!!」
徹が少し私の腕を掴む力が弱まった隙に腕を振り払い、馬乗りになっている徹の下から抜け出した。
そして
ずっと抱えていた想いを打ち明けた。
「……私だって……徹のことが好きだったよ…。でも徹はいつも他のこと行っちゃってさ、私のこと全然見てくれなかったじゃん…!だから、私…徹のこと諦めて勇馬くんと付き合ったのに……。」
徹「…ごめん…。」
少し驚いた徹はそっと私に手を伸ばし、強く抱き締めた。
「ちょ、離して!」
徹「離さない…!もう朱鳥を他の男に渡したくない……。……朱鳥を幸せに出来るのは俺だけなんだから…。」
「……。本当に…私のこと好きなの?」
徹が私を思う強い気持ちがわかり、確かめるように聞いた。
徹「…当たり前じゃん。」
「そっか………。」
嬉しくて、私はゆっくりと徹の背中に手を回した。
「………私も好きだよ……徹……。」