第7章 釣り合い〈及川徹〉
及「あ!!朱鳥〜お疲れ〜!!」
いつもの放課後。所属している生徒会の仕事を終えた私は玄関でスニーカーに履き替えようとすると前から声が聞こえた。
(げっ…。)
その人物はヒラヒラと手を振りながらニコニコ笑っている。
私は嫌な顔をした。
「何してるの及川?今日はバレー部休みじゃないの?」
及「朱鳥と一緒に帰りたくて待ってたんだよ♪っていうか前みたいに"徹"って呼んでよ!」
彼は…私の幼馴染みで元カレだ。1年前に付き合ったけど1ヶ月前に私から別れを告げた。
それなのに彼はいまだに私に付きまとってくる。
ここで一つ言っておこう。私は彼が嫌いで別れたのではない。むしろ今でも好きだ。だけど彼と私は釣り合わない…そう思って別れを告げた。
なのにこうやって帰りを待っててもらったりすると、彼とよりを戻したいと思ってしまう。
だから私はわざと冷たくあたったり、所属していた男子バレー部のマネージャーを辞め、気を紛らわすように生徒会に入った……のに。
「別にもう付き合ってもないんだし、一緒に帰る必要なんて無いと思うんだけど。それと呼ばないからね。」
彼は飽きずに声をかけ続けてくる。
「俺は別れたつもりはないよ。」
「ってゆうか私より及川の周りにはかわいい子多いでしょ?その子達と帰りなよ。」
「俺は朱鳥と帰りたいの!」
そう言って彼は私のあとをついてくる。
後ろから
及「『朱鳥〜無視しないでよ!』
『待ってよ朱鳥!』
『一人で帰るのは危ないよ?』」
と話をかけてくる。
最初無視していた私も次第に耐えられなくなり…。
「あー!!!もう!!わかったよ!!帰ればいいんでしょ!?一緒に!!」
と振り向いて答えてしまった。