第70章 忘れない約束〈花巻貴大〉
朱鳥は小さい頃からよく一緒に遊んでいた友達で、親同士も仲がいいせいかお互いの家に泊まることも珍しくなかった。
だけど小四の夏、父親の転勤で朱鳥は引っ越すことになった。
担「そうなのか、じゃあ席は花巻の隣な。席も空いてるし、知ってるやつだといろいろ聞きやすいだろ」
説明を聞いた担任は朱鳥の席を俺の隣にした。
「はい。」
そう言って朱鳥は俺の隣の席に座った。
花「久しぶりだな、小四以来?」
「そうだね~!最初見たとき花、髪染めてたからわかんなかったよ!ピンクとかチャラそう!」
花「悪かったな、チャラ男になってって。」
「でも、なんか花に似合ってるよ!ねぇ、触っていい?」
朱鳥は許可する前に俺の髪に手を伸ばして触った。
「わ~サラサラ!」
と、その時、
担「おーい、そこ!イチャつくな~授業始めるぞ!」
「わ、す、すいません!!」
担任に注意されて朱鳥は慌てて席についた。
少しだけだったけど朱鳥は昔から変わってない。
そして、俺の朱鳥を思う気持ちも。