第67章 トリップ体験〈in烏野〉
そう、願いながら眠りについて目を覚ましたら………
元の世界に戻っていた。
窓から見る景色も、壁に掛けていた制服もいつもの風景に戻っていた。
やっぱり、夢だったのかと思ったとき、ふと気づく。
何か手に握っている。
そっと手のひらを開くと、日向がくれたポケットティッシュが現れた。
そしてもうひとつ。
この世界では夏だというのに、なんか暑い。
そこで、自分の来ている服を見ると、私は黒いジャージを着ていた。
私は慌ててジャージを脱いで背中側を見た。
そこには
『烏野高校排球部』とあった。
それで
あの過ごした時間は夢のようで夢ではないと思った。
そして私に決意した。
これからもし私が一人になっても日向は駆け付けてくれないだろう。
だけど、その前に自ら踏み出そうと思う。
これはきっと
この世界で私が生きていくために神様がくれた、プレゼントだったのかもしれない。
-トリップ体験-
END