第6章 ヒミツのナツマツリ 〈月島蛍〉
「えっ!?///」
蛍「何そんなに赤くなってるの?初めてじゃないでしょ?」
そりゃ…蛍とキスしたことは何度かあるけど…
いつもは流れとか蛍からだし…自分からってのはない。
「ほ…本当にしないとダメ…?」
蛍「そんなの言わないとわかんない?」
だよね…。
拒否権がないことぐらい知ってたよ…。
「うぅ…じゃ…じゃあ…。」
私はそっと蛍の腕を掴んで背伸びしてキスをしようとした――
けど…。
届かない。
蛍「(クスッ)…ちょっと届いてないんだけど!!」
クスクスと笑う。
「だっ…だって蛍背、高いんだもん!!//」
蛍「本当…しょうがないね。
じゃあサービス。」
そう言うと蛍はグッと顔を近づけてきた。
「っ///!!」
私は掴んでいた蛍の腕をグッと握って再び背伸びした。
高1の夏。
賑わっている大通りのとは裏腹に静かに夜風だけが通る路地で
私は初めて
蛍にキスをした。
きっと忘れられない夏になったと思う。
-ヒミツのナツマツリ-
END