第6章 ヒミツのナツマツリ 〈月島蛍〉
皆が通り過ぎてから蛍はそっと口から手を離し、私と蛍の間に少し距離をあけた。
少し呼吸が楽になる。
蛍「朱鳥さ、何考えてるの?」
「へ…?」
蛍「僕等、他の人達には内緒で来てるのに、ここで声かけたら意味ないってわからないの?」
少し蛍の顔が怖い気がした。
「あ…ゴメン。つい…。」
蛍「それに、あの人達なら会ったら一緒に回るはめになると思うんだけど?」
「そう…だね…本当ゴメン。」
とりあえず謝る。
蛍「まぁわかればいいんだけど。
今日のこと誰にも言わないよね?」
「うん。あ…でも忠くんは蛍と一緒に来てるって知ってるんだけど…。」
蛍「別に一緒に来てることぐらいならいいけど、何があったかは山口にも言わないよね?」
「え…あ…うん…!」
蛍「じゃあさ…言わない約束として
僕にキスしてよ。」