第63章 奇跡のような恋〈黒尾鉄郎〉
そんな日が続いたある日の休日だった。
いつものように図書館で勉強をしていたら。
黒「なぁ、黒羽ってなんで、K大希望なんだ?黒羽の実力なら、もっと上の大学行けるだろ?」
唐突に黒尾くんがそんなことを聞いてきた。
「え、えーーと。」
私は答えに迷った。
黒「まぁ、言いたくないらないいんだけどな。」
私が黙っているのを見てそう言った。
私は黙っていられなくなって。
「……と、いたくて…。」
黒「?」
「大学でも黒尾くんといたくて……!!噂で黒尾くんがあの大学受けるって聞いて私も行きたくなって…!」
つい、本当のことを言ってしまった。
本当はずっと言いたかったのかもしれない。
黒尾くんと過ごす時間を重ねることうちに自分の気持ちを押さえることが辛かったから。
「…………私、黒尾くんのことずっと好きだったの。……だから、遠くで見てるだけでいいから同じ大学行きたいと思って途中で変更したの。
………ってごめんね、なんかストーカーみたいだよね……。しかもいきなり告白なんかして…本当ごめん…忘れていいから。」
私は言い終えると怖くてうつ向いた。
なんの可能性もないのに告白して、やっと仲良くなれたのに、それを自ら終わらせちゃうんだもん。