第61章 年下彼氏 〈岩泉一〉
及「…という訳で朱鳥ちゃんお疲れ会始めるよ!カンパーイ!!」
そんなこんなで青城バレー部の行きつけのラーメン屋『珍道中』に着いて及川くんの号令で始まった。
ちょっと恥ずかしながら近くの人とグラスを当てる。
っていうか、いつも思うけどわざわざ貸し切りってやりすぎじゃないかな…。
そうそう、私の隣はもちろん一くん!
反対側は及川くんだけど。
及「そう言えば、朱鳥ちゃんはお酒飲まないの?」
二十歳過ぎた私のグラスの中がオレンジジュースということに気づいた及川が言った。
そしたら、私より先に幸ちゃんが…。
溝「あーダメダメ。こいつ酒弱くてすぐ酔うから。」
確かに酔いやすいけど、幸ちゃんにそう言われると何かムカついた。
「そんなことないし!今日はほとんどが未成年だから、合わせてただけだし!今は、だいぶ慣れたから大丈夫だもん!」
溝「じゃあ勝負するか?」
「い、いいよ!!」
溝「よし、じゃあ、おっちゃん!生ビール追加で!」
「わ、わたしも!」
私は勢いのまま幸ちゃんに続いて注文した。
一「おい、大丈夫なのか?」
隣にいた一くんが少し心配そうに聞いた。
「大丈夫だよ。…たぶん。」
一「たぶんって…お前。」
だってさ、幸ちゃんにあんな風に言われて黙ってられないじゃん。