第6章 ヒミツのナツマツリ 〈月島蛍〉
「えっ!?夏祭り!?」
電話越しに聞こえる蛍の声に少し驚く。
蛍[そっ、今度の日曜に夏祭りあるんだけど行く?]
「それってデ、デートってこと?」
蛍[普通に考えてそうに決まってるでしょ?バカなの?ってか行くの行かないの?]
う…だってデートなんてあんまりしないし、そっちから誘ってくるなんて珍しいから…でも………。
「行く!!行きたい!!」
蛍[何そんなにテンション上がってるの?じゃあいつもの場所に6時に集合ってことで。じゃ。]
切れた電話を持ったまましばらく私は固まっていた。
蛍とデート…。
しかも夏祭り……。
頭の中で状況を整理したあと私はバタバタと階段を下りた。
「お母さーん!!新しい浴衣欲しいんだけど!!」