第55章 支え合い〈牛島若利〉
再び目を覚まし、横を見ると若が本を読んでいた。
若「起きたのか?」
気づいた若が本をパタンと閉じて聞いてきた。
「うん…。もうだいぶ平気。」
若「じゃあ帰るか。」
そう言って立ち上がって然り気無く私の荷物も持ってくれた若に私は気持ちを押さえきれなくなった。
「…若。」
若「なんだ?」
声をかけられた若は振り向いて私の方を見た。
「好き。……私…若のこと好き。」
感情が溢れ勝手に涙が流れた。
そしたら床に荷物を置いた若が、私を抱きしめた。
若「俺も好きだ。朱鳥のこと。昔から。」
「……うん。……嬉しい…。」
若「お前がバドを頑張っているのをみると俺も勇気付けられるんだ。だから…諦めず頑張ってみろよ…。」
「…ありがとう……若……。」
-支え合い-
END