第54章 嫉妬。〈花巻貴大〉
*貴大
あーーやっちまった。
子供かよ俺は……。
ひとり、自分家に帰りながら反省する。
朱鳥は悪気あったわけじゃないのに、嫉妬とかマジカッコ悪い。
朱鳥、心配しただろうな。
明日、謝らなくちゃな。
そう思っていたら
「待って!貴大くん!」
その声に振り向けば朱鳥が走ってきて、後ろから抱きついてきた。
貴「!!…朱鳥!?…どうしたんだよ!?」
「謝りに来たの。私、鈍いから貴大くんが傷ついていたのわからなかった……ごめんね。」
貴「……なんでわかったの?」
「お兄ちゃんたちが教えてくれた。貴大くんは嫉妬したんだって。」
それをを聞いて
やっぱあいつらにはバレていたんだと確信する。
貴「そ…なんだ。……いや、俺こそ急に帰るなんて言ってごめんな?」
俺はずっと落ち込んでいる朱鳥の頭を撫でた。