第51章 守りたいもの〈国見英〉
英「え?彼氏できた?」
朱鳥が、俺の部屋でそう言い出した。
朱鳥は親が共働きであまり家にいないため、昔から、よく俺の家来ることが多かった。
そして今日も……。
「うん!同じクラスの鈴木公平くん!!ずっと好きだったんだけど、今日昼休みに告白されたの!」
朱鳥は俺のベッドの上で嬉しそうに話した。
鈴木のことは俺も同じクラスだから知ってる。
バスケ部で、活発で、常に人に囲まれているいわゆる人気者。
英「そうなんだ。良かったじゃん。」
「うん!ありがと!……んでね、公平くんに悪からこれからはあんまり、ここ来れないんだ…。朝とか帰りも公平くんと一緒に行くようにしたんだ。」
英「そう。まぁ仕方ないんじゃない。俺は別に大丈夫だし。」
「よかった!じゃあ今日はもう帰るね!もうすぐ公平くんから電話来るんだ。」
そう、言って朱鳥は嬉しそうに帰っていった。
知ってた。
いつかこんな日が来るんじゃないかって。
だけど、いざその場になると結構辛い。
俺はさっきまで朱鳥が座っていたベッドに倒れ込み布団に顔を埋めた。
ずげー悔しくて何もやる気が出ない。
だけど、
朱鳥が幸せならそれでいい。
そう思うようにした。