第50章 もし……叶うなら〈松川一静〉
松「準優勝おめでとう。」
「いえ……、最後負けちゃいましたし…。」
松「でも、一人であそこまで戦えるなんてすごいよ。」
「…ありがとうございます。……あ、告白の件…優勝出来なかったから無しってことになりますね……。すいません本当。自分からあんな約束しといて……。忘れてください。」
私は必死に涙をこられながら頭を下げた。
松「ん、黒羽の約束は無かったことになるね。……でも、付き合わないわけじゃないよ?」
私はそっと顔をあげた。
「え…?」
松「だって、俺が黒羽と付き合いたいって思ったから。」
「…っ!!いいんですか…?私なんかで…?あんな約束しといて、優勝も出来なかったのに……。」
松「それでも、毎日部活頑張ってる黒羽を見ているうちに俺の方が黒羽とこ好きになったから。だから、付き合いたいって思ったんだけどダメ?」
松川先輩は微笑んで私を見て言った。
「〜っ!いいに決まってます…!すごく嬉しい…です。」
こられていた涙が一気に溢れだした。
すると、松川先輩は優しく私を抱きしめた。
松「期待されるのって嬉しいけど、辛いよな。でも、その期待に答えるぐらい戦った黒羽はすごいと思うよ。これからはもっと俺にいろいろ相談していいからな。」
「はい……、ありがとうございます……。」
その言葉がすごく嬉しかった。
-もし……叶うなら-
END