第5章 名前の呼び方 〈影山飛雄〉
*影山
―――――遅い。
今日は、付き合って間もない朱鳥と一緒に帰る約束をしていた。
なのに…約束の時間になっても朱鳥が来ない…。
そんな事を考えていると…
〜〜♪
携帯にメールが来た。相手は朱鳥からだった。
[ごめん!!ちょっと遅くなりそう…。あんまり遅いときは先に帰ってもいいからね?]
影(なんだよ!?久々に部活が休みで一緒に帰れると思っていたのに…。一体何をしているんだ?)
俺は何か胸騒ぎがして校舎の中を探した。
朱鳥はすぐ見つけた。
一年一組。朱鳥は自分のクラスにいた。
そしてもう一人…朱鳥と向き合っているのは――――
日向だった。