第49章 バカに恋して〈田中龍之介〉
*朱鳥
翌日。縁下に言われた"言ってみないとわからない"その言葉を思いながら学校に向かった。
で、朝練のため体育館に着くと、朝から龍が何やら機嫌が悪いのがわかった。
私は勇気を振り絞って龍に近寄って言った。
「龍~、なに朝から不機嫌な顔してんの?ちょっと話あるんだけどいいかな?」
と、ちょっと余計なこと一言を言っちゃったけど、とりあえず場所を移そうとした。
けど……。
龍「……朱鳥…。俺もお前に話あるんだ。」
「え?」
龍は私の顔を見るなり話し出した。
龍「お前、昨日縁下と一緒にいたよな?!もしかして付き合ってたりするのか?!!」
「は?ちょっと、まっ…!」
私は龍の誤解を解こうとした。
縁「おい、田中。お前何言って…。」
近くで聞いていた縁下も私を庇おうとした。
龍「別にお前が誰と付き合おうが関係ねぇーけどよ、散々面倒見てきた俺に何も言わねぇって何なんだよ!!」
「ねぇ!!ちょっと話聞いて!!」
必死に解こうとしているのに龍は全然私たちの話を聞こうとしなかった。
龍「お前がそんなやつと思わなかったわ、マジで!!」
そこの言葉に私耐えられなくなって言った。