第44章 思い出した想い〈茂庭要〉
要「朱鳥ち、今日もひとりだろ?飯食ってけよ?」
バスを降りて少し歩いて要の家の前まで来るとそう言って引き止めた。
私の親は帰りが遅かったり、出張が多いからあまり家にいなかった。
そんなことを知っているから気を使わせてくれたんだろう。
「え、でも。」
要「うちの親も喜ぶからさ」
「うーんじゃあ…。」
少し迷ったけど要のお母さんには昔よくお世話になったし、久しぶりにあいさつしようと思ってお邪魔することにした。
要「ただいま。」
「お、お邪魔します…。」
母「あら朱鳥ちゃん?!久しぶりね!綺麗になったわね!」
玄関の入ると要のお母さんが優しくて出迎えてくれた。
「いえ!そんな!!」