第40章 勘違いと恋〈金田一勇太郎〉
だから
いつ
「彼氏が出来た」とか
「もう一緒に登校出来ない」とか
言われるのか怖かった。
ただその反面
アイツに彼氏が出来たら
諦めがつく気がしていた。
そんなある日のことだった。
昼休みに
アイツと国見が二人で話していたのを見つけたのは。
何か真剣そうだったし
もしかしたらって思った。
でも
国見は中学の頃からの仲だし
なんだかんだで結構いいやつだし
正直俺よりモテてる。
だから
国見にならいいか
って思った。
けど
やっぱ少し悔しくて
何も言えないまま終わったことに
後悔が残った。
それでも
その後の朱鳥と俺の関係は
変わらなかった。
言いづらいのか
俺に悟られたくないのか
わからないけど
それが俺にとって逆に辛いものだった。